ハンガリーは中央ヨーロッパに位置し、国の面積は日本の約4分の1程度。

中欧の小さな国ですが、この国は数学教育が優れているからでしょうか。ハンガリーには頭脳明晰な人が多く、ルービックキューブやコンタクトレンズ、近年ならプレゼンテーションソフトウェアのPrezi(プレジ)など、世界的な発明品が数多くこの国から生まれています。
また、人口比率で言うと世界一『ノーベル賞受賞者』が多いのも“ハンガリー”なのだそうです。

ヨーロッパの小さな国は、世界に誇れるものが多かった!

 

ブダ城夕暮れ
ブダ城夕暮れ

出典:http://www.finomagazin.com/

小国ながらも優れた分野が数多くあるハンガリー。
この国にはまた、とても精密な伝統工芸品が数多くあります。

その1つが、世界に誇れる美しいポーセリン(陶磁器)ブランドの『Herend(ヘレンド)』です。

ハンガリーの名品特集、第1弾は『Herend(ヘレンド)』について

©Michelle Tribe Herend Queen Victoria teacup
©Michelle Tribe
Herend Queen Victoria teacup

ハンガリーの首都ブダペストに暮らす筆者が、現地からハンガリーの魅力をお届けするシリーズ。
第一弾は、世界的なポーセリン(陶磁器)ブランド、Herend(ヘレンド)について。

ハンガリーの近代史とともに歩んできた、伝統ある最高級ポーセリンの魅力を徹底解剖したいと思います。

ポーセリンとアートが融合したポーセラーツは、女性達の間で大人気の習い事

ポーセラーツの様子/ ©FinoMagazin
ポーセラーツの様子/ ©FinoMagazin

皆様は、20代後半〜50代くらいの女性達の間でよく話題に上る「ポーセラーツ」という習い事をご存知でしょうか。

ポーセラーツは陶磁器(ポーセリン)と芸術(アート)を組み合わせた造語。
一体どんな内容なのかと言うと、シール感覚で使える転写紙や上絵の具、金彩などを使い、真っ白な器(白磁)の表面に自由に絵付けして楽しむことができるクラフト感覚の習い事です。

写真はとあるポーセラーツ教室で、白磁のマグカップに好きな転写紙を貼り終えた後、専用ペンを使って絵付けする様子。
世界でたったひとつの自分だけのオリジナル食器や小物が手軽に作れるので、その魅力にハマる女性が急増しているそうですよ。

親子で参加できるポーセラーツ講座で、受講者の方達が完成させたポーセリン

©FinoMagazin
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白磁の表面に絵付けされた器は、それぞれ専用の電気炉で焼成され、1週間程度で完成します。

ヨーロピアン・ポーセリンの名品、ハンガリーが誇る“Herend(ヘレンド)”

出典:pinterest.com
出典:pinterest.com

ポーセラーツを体験された事のある方ならきっと、ハンガリーのポーセリン(陶磁器)ブランド“Herend”の絵付け技術が、いかに繊細で素晴らしいか実感できることでしょう。

世界的に有名な陶磁器ブランドといえば、英国王室御用達のウェッジウッド(WEDGWOOD)やデンマークのロイヤルコペンハーゲンを連想する方が多そうですね。
ハンガリーのHerendもまた、世界の名だたるブランドとともに世界中で愛され続けているポーセリンなのです。

1826年にハンガリーで創業したHerendは、陶磁器製の美しい食器や置物、雑貨など、全ての商品を自社で製作し取り扱っています。

創業した当時、ハンガリーが「貴族のなかの貴族」といわれたハプスブルク家の統治下にあったため、ヘレンド(HEREND)は、ウィーンの宮廷サロンでその技術に磨きをかけていったそうです。


Herend Terica Sugarbox
Herend Tercia Bonbonnier ©FinoMart ヘレンドのボンボニエールをチェックする


ヘレンドのボンボン(キャンディボックス)は動画で商品コンディションをレポート中です。


ロンドン万博で女王の目に止まり、命名された『Victoria(ヴィクトリア)』

出典: pinterest.com
出典: pinterest.com

うっとりするほど美しい陶磁器ブランドの、歴史と伝統に裏付けられた名品の数々。
写真に映る豪華なティーウェアのセットは、ヴィクトリアと呼ばれるものです。

1851年、ロンドンで開催された世界初の万国博覧会。
25カ国が参加したロンドン万博で、Herendは美しい蝶や多くの花々をあしらった花鳥紋様のディナーセットを出品しました。
Herend製品を目にしたヴィクトリア女王は、美しい蝶や花々の絵をとても気に入り、セットで注文したそうです。

そのエピソードは世界中に広まり、Herendの名声は一気に高まりました。

万博に出品した当時、その花鳥紋様のディナーセットは別の名前でしたが、ヴィクトリア女王からのオーダー以降は、人々から「ヴィクトリア」という名前で呼ばれるようになったのが名前の由来です。


ヘレンドのヴィンテージプレートをチェックしてみる ©FinoMart
ヘレンドのバックスタンプ付、ヴィンテージプレートをチェックしてみる ©FinoMart

ヴィクトリア・ブーケ

ヴィクトリアブーケ 出典:pinterest.com
ヴィクトリアブーケ 出典:pinterest.com

 ロンドン万博でヴィクトリア女王に見初められ愛用されるようになったティーウェア・シリーズ。

蝶や牡丹の花々が鮮やかに描かれ、シノワズリ(中国的)なデザインが特徴的です。

Herend(ヘレンド)とロスチャイルド

Herendには、ヴィクトリアとともにブランドの顔として知られるデザインがあります。
それは、『ロスチャイルドバード』と呼ばれ、大変人気のあるシリーズの1つです。

銀行業で財をなし、世界の大富豪として知られるウィーンのロスチャイルド家。
そんな大富豪一家が1850年に、Herendに製作を依頼したことが商品名の由来になったそうです。

ブランド豆知識<世界の最高峰 5大ワインにも、ロートシルトの名前あり!>

グランヴァン ワイン
出典:グランヴァンと呼ばれる赤ワイン ©FinoMagazin
シャトー・ラフィット・ロートシルト 出典:pinterest.com
シャトー・ラフィット・ロートシルト 出典:pinterest.com

ロスチャイルド家をドイツ語読みすると、ロートシルト(赤い盾の意)。
ワイン業界の方やワイン愛好家の方であれば、このロートシルトという言葉にすぐピンと来るはず。

フランスワインの最高峰に、5大シャトーと呼ばれる5本の極上ワインがあります。
そのうちの2本にはワインラベルにロートシルトの名が。
要するにそれら2本は、ロスチャイルド家が所有する最高級ワインです。
とりわけ写真に映るシャトー・ラフィット・ロートシルトという赤は、ワイン格付けで第一級品なので、ワインからロスチャイルド家を知るようになった人は数多いと思われます。

話をポーセリンに戻しますね。

それではなぜ、Herendのある製品が、ロスチャイルド“バード”と呼ばれるようになったのでしょうか?

ロスチャイルド家の初代マイヤー・アムシェルには5人の息子がいて、彼らはそれぞれヨーロッパにある各支店を担当し、一大金融網を築き上げました。
そのうち、ロンドン支店を担当したのがネイサンという人で、彼にはウォルターという孫がいました。

孫のウォルターは幼少時より動物学に傾倒し、そんな動物愛が高じて、10歳の時には自宅の広大な敷地内に博物館を開いたそうです。
ロスチャイルド家の財力により、その博物館には4万点以上の鳥類剥製標本と50万点以上の昆虫標本がコレクションできたのだとか。

野鳥と昆虫をこよなく愛するウォルターに由来するのがこのロスチャイルドバードというデザイン。

このロスチャイルドバード・シリーズは今日も世界のロスチャイルド家で使用され、さらに、世界中のポーセリン愛好家達に人気のデザインとなりました。

Herendの名器の中でも大人気の“ロスチャイルドバード”

ロスチャイルドバード/ 出典:pinterest.com
ロスチャイルドバード/ 出典:pinterest.com

取っ手までロスチャイルドバードが描かれています。
なんだか使うのがもったいないほど芸術的な器ですね。

Herendにはまだまだお伝えしたい素敵なデザインが数多くありますが、今回はここまで。

陶器ファンならずとも心がときめく、その美しいハンドペイント。

今回はハンガリーが誇る名窯ブランドHerend/ヘレンドについて、その歴史をふまえてお伝えしました。

これからもハンガリーのさまざまな“名品”をレポートしていきますので、ぜひ、お楽しみに。


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日本未発売、ヘレンドの“ヴィンテージ”食器をまとめてチェックする。

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